寄生バチ(コマユバチ科 学名:Braconidae)

幼虫が寄生生活をするハチで、体長は10 mm以下の小型のものが多く(20 mm以上の大型のウマノオバチもいる)、体色は黒く,脚は黄色や黄褐色です。
コマユバチ科は、完全変態する幼虫に卵を産み付け寄生させ、寄主から養分を得て成長し、やがて寄主の体内もしくは体外で蛹化し羽化後成虫となります。これらは、農作物が昆虫に食害されたときに植物が発する化学物質に誘引され寄主を探索し、卵を産み付けます。
基本的には農作物を食べる害虫の天敵(農作物にとっては益虫)となり人に害はありませんが、大量発生すると異物混入などの問題を引き起こす可能性があります。発生時期は寄主の活動期間によります。ある程度の温度がなければ蛹化できないので前蛹(蛹になる前の準備段階)の姿で越冬します。屋内への侵入は、隙間からが多く、照明光に誘引される種もいます。コマユバチ科の主な種としては、アオムシコマユバチ(Apanteles glomeratus, 寄主はアオムシ)、イガサムライコマユバチ(Apanteles carpatus, 寄主は衣類害虫のイガやコイガの幼虫)がいます。