アルゼンチンアリ(学名:Linepithema humile)

特定外来生物に指定されている本種は、体長は2.5 mm前後で、体色については一見黒色ですが近くで見ると褐色をしています。他のアリと比べて高速でせわしなく動くことも特徴の一つです。活動できる温度の幅(5~35℃)が広く冬眠はせず、一年中活動しています(ただし冬場は動きが鈍くなります)。毒針は持ちませんが、攻撃性が高く咬まれる可能性があります。

南アメリカが原産とされ日本では1993年に初めて確認されました。愛知県では2005年に初めて田原市で確認されて以降、豊橋市や東海市でも生息が確認されました。

基本的に雑食性で、特にアブラムシやカイガラムシが分泌する甘露を好みます。その他、果実や昆虫の死骸、犬の糞、加えて人が食べるものをから空き缶に残った汁に至るまで様々なものに群がります。
地面深くに巣を作らず、コンクリートの亀裂部分や植木鉢の下など様々な小さな空間に巣を作ります。結婚飛行※を行わず巣内で繁殖を行い1つのコロニーに複数の女王アリが存在し、巣別れを繰り返し繁殖していきます。
繁殖力が強く条件が揃えば1日に60個の卵を産むとされ、卵は2ヵ月で成虫になります。

本種は農業害虫として被害をもたらすほか、屋内へ侵入し不快に感じたり、その他の外来生物と同じく生態系への影響を及ぼすこと(そこに生息する昆虫の種が減少など)があります。

※他の多くのアリが繁殖行動として行う。