ハエ目チョウバエ科(学名:Psychodidae)

体長2~5mm程度、体色は灰白~黒色で、体と翅に長い毛が密生していてチョウ(蝶)のように見える小さなハエです。空中を飛び回るというよりは、少しづつ物に伝わりながら移動していくような飛び方をします。飛翔力はあまり強くありませんが、風によって1km以上運ばれることもあるようです。夜間に活動する傾向が強いためか、ユスリカ科をはじめとする他の昆虫と同じように、光に誘引されることはないようです。
幼虫は腐植質が豊富で多湿である、汚れた河川・下水溝・排水路・浄化槽などの汚泥から発生します。成虫雌の生存期間は5~6日で、その間に20~100個産卵します。卵期間約2日、幼虫期間9~15日、蛹期間2日を経て成虫になります。
総じて夏に発生量が多いのですが、湯を使う食品工場や暖房が完備されている建物内部では、排水路や浄化槽などの管理が行き届いていないと年間を通じて成虫が見られます。なお、屋内で捕獲されるチョウバエ科のほとんどは、オオチョウバエTelmatoscopus albipunctatus WillistonとホシチョウバエPsychoda alternata Sayです。